三人のレンガ職人の話はあまりに有名でしょうか。
中世のとあるヨーロッパの街で旅人が重たいレンガを積み上げている三人の職人と出会いました。
「何をしているのですか」と尋ねる旅人
1人目は、
「見ての通りさ!親方の命令で“レンガ”を積んでいるんだ。暑くて大変だからもういやになっちゃうね!」と答えました。
親方に言われたからやっているようです。
2人目は、
「レンガを積んで“壁”を作っているんだ。この仕事は大変だけど、稼ぎが良いからやっているのさ」と。
お金のために働いているので“壁”しか見えていない様子でした。
3人目は、
「レンガを積んで、数百年後に残るような“大聖堂”を造っているんだ。こんな仕事ができてとても光栄だよ」と。
瞳がまぶしく目の前のレンガや壁のその先に志を持っているようでした。
3人のレンガ職人
それぞれ「レンガを積む」という仕事は同じです。
仕事の内容が同じなので、賃金もほとんど変わりません。
しかしです、
「誰のために」「何のために」という目的意識がある人は強いです。
時が経ち10年後、再び旅人がその街を訪れると
1人目は、もっとひどい文句を言いながらその仕事を続けていました。
2人目は、さらに稼ぎが良いがとても危険な教会の屋根の上の仕事をしていました。
3人目は、現場の施工責任者まで昇りつめ、完成した大聖堂には彼の名前が付けられたそうです。
心の持ち様次第で
同じ仕事でもたっぷりと幸せを感じることができるし、
何より
ひとつひとつの仕事の先にある
もっと大きな未来に志をもっている人の仕事ひとつひとつは
美しいものです。
私もそうでありたいと願います。

ひーくん隊員は大学最後の春休みを
この場所を作り上げることに捧げてくれています。
彼の志す未来には何が見えているのでしょう。
待ち合わせたその未来で
子どもたちが
「ありがとう」を伝えていると
嬉しいな。

ついに削り始めましたぞ!!!

こりゃ、やってるねえ。

子どもたちがお手伝いに来てくれました。
「これ塗る?」
「塗る!!!」
ものすごい勢いです!

「これはステージの外側をかっこよくするために使う木だよ」
「ステージではライブとかしたいと思っているよ」
子どもたちの作業がただの手伝いにならないように
必ず「何のために」を伝えるようにしています。
三人目のレンガ職人のように
幸せなおとなになってほしいからね。

そう、僕は君たちの
こんな笑顔が見たいから
ステージをつくっていたんだよ。
移転部隊隊長 奥平啓太